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NHKラジオ深夜便-「大人の旅ガイド・白川郷」

今夜ご紹介するのは、もう皆さんご存知の世界遺産〝白川郷〟です。

白川郷は岐阜県と富山県境にあり、正式には岐阜県大野郡白川村人口1900人の集落です。

私と合掌造りの家は、切っても切れない関係にあります。

合掌のカタチにひかれて、生活のスタートラインにたった、といっても過言ではありません。家の骨格というべき柱と梁は、何か私の心の中の骨格でもあるのです。

自然と共存して生きることの、とてもシンボリックなカタチ。もう何十年にもなるでしょう。この集落に通い、さらに日本中を旅し、自分が求める暮らしのあり方や、心の置き場所を探す旅を続けてきました。    

白川郷は冬なら2、3メートルの豪雪に埋もれる雪の里です。

私は何度も旅をしました。雪の中へ足を入れながら、神聖な気持ちになったものでした。雪を深々とかぶった集落は神々しく、余所者(よそもの)は雪の上に足跡を残すのさえ、ためらわれたものでした。

現在、世界遺産に登録されてからは、集落の様子は随分変わりましたが、でも冬、雪深い白川郷は静寂そのものです。

私はいつも名古屋から高山本線に乗り、飛騨古川を経て白川郷へと通いましたが、道すがら、その道筋自体に私の心をふるわせるものがありました。列車が進むほどに山が迫り、やがて渓谷が深く列車の行く手をさえぎる。かと思えば山間に可愛らしい集落を見せてくれたり。いっときも見逃せない自然絵巻が広がります。

思えば35年ほど前から、このルートの向こうに私が求めるものがあると直感し、何度も何度も足を運びました。最初はひとり旅、結婚後は家族と、あるとき乳飲み子をおんぶして。さらにもうひとり生まれると、上の子はしっかり私の手を握りしめてついてきました。私が進む先に、私の求めるものがあると信じていたから通えたのかもしれません。

それが、白川郷でした。

厳しい豪雪の中に建つ合掌造りの家は、静謐な祈りのカタチです。そこに佇むと、私はいつも自分の原点に帰ってくるような気がします。

かつて中学の図書館で見た、民藝運動の提唱者の柳宗悦先生の本に書かれていたフレーズの「ものを作る人に美しいものを作らせ、ものを使う人に美しいものを選ばせ、この世に美の国をつくろう」という一説が私の胸に宿りました。

白川郷のあるお宅で、大きな柱をさすっていますと、故池田三四郎先生がおっしゃった言葉が浮かびました。「民藝で一番ガラが大きいのが家だ」と。

池田三四郎先生は伝統的な木工技術を生かして広め、用の美の精神を基盤とした「松本民芸家具」の製作を開始した方です。

やがて、旅を続けるうちに、自分の家を作る段になりました。

その頃、各地で後継者がいないからとか、維持できなくて家を手離さざるを得ないという方々がたくさん出るという事態がおきていました。築百五十年もの家がついに壊されるという日、私はその村を通りかかっていたのです。チェーンソーが今にも太い柱を切り裂こうとする寸前、キーンと鋭い音がして、私にはそれが悲鳴のように聞こえました。

その音はまさに民家が号泣しているかのようでした。

昭和四十年代のことです。こうして日本は過去を葬り、高度成長社会に移行していったわけです。このとき、「待って!」と叫んで、譲っていただいた、いくつかの民家の端々が、今、箱根の家で堂々と余生を生きています。

白川郷や五箇山に美しい姿をとどめる民家は八世紀からの遺産だそうです。日本の歴史に翻弄されることなく、ずっと身を隠しながら、何世紀も生きてきたものだけが持つ神々しいまでの家々です。集落の中に江戸時代から変わらない道があり、屋敷の間を村道が縫い、昔の姿をとどめていますが、そこには現代の人々が暮らしているのです。

旅をする時・・・そこが世界遺産ならなおさらのこと、人々は静かにその村を訪れましょう。

1935年(昭和10年)ドイツの建築学者ブルーノ・タウト(1880~1938)が白川郷を訪れました。合掌造りを「極めて論理的、合理的で、日本には珍しい庶民の建築」と高く評価しました。「日本美の再発見」によって広く紹介され、一躍世界の注目を集めるようになったのです。

白川郷にお邪魔すると、我が家の親戚に会ったような安堵感を覚えます。

きっと今頃の白川郷は一面銀世界でしょう。

私の住む箱根は例年より雪が多いようです。雪が降ると、山に登る道がチェーン規制になったりして、不便な面もあるのですが、雪の中の箱根はなかなかきれいです。

雪の匂いに樹木の匂いがまじって、なんだかとてもゆったりした気分になりますし、雪があたりを覆うと、ふんわりと音を吸収してくれるせいでしょうか、いつもより一層、静寂が深くなるような気がします。

寒い季節に雪のあるところを旅すると、普段見えないものが見えてきます。そして、箱根の我が家に帰り、あちこちの柱に報告をします。「あなたたちのお仲間も立派に生きていましたよ」・・・と。

2007年7月現在 世界遺産に登録されているところは
文化遺産  660
自然遺産  166
複合遺産   25    合計851 

人類にとって大切な大切な遺産。 みんなで美しく守っていきたいですね。

旅の足は 東西南北4本の道がありますが、通行止めの場合もありますので必ず確認してからにしてください。マイカーなどの乗り入れ規制もあります。 

道路状況などのお問い合わせは

白川村役場
05769・6・1311

白川郷・合掌造りなどの問い合わせは  
白川村観光案内所
05769・6・1013 

現在は積雪一メートル位ですが、周辺は除雪してあります。ホームページでいろいろ検索できます。 

建築に興味のある方は「合掌造りの構造」に詳しく載っております。

今夜は茅葺の里、白川郷をお届けいたしました。

投稿者: Mie Hama 日時: 2008年2月23日 01:45

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